茜空

誰もいない夕暮れの道
空がとてもきれい
いくつもの色と雲が重なり合い
西の空に溶けていく
まるで今の私の心みたい

信じて傷つくのを怖れて
君に伝えられなかった
心の奥底で眠っている欠片
今でも時々　熱くなるんだ

もしも私に翼があったなら
この茜空の向こうにいる　
君に会いに行きたい
笑顔も悲しみも全部分かち合うよ
二度とその手を離さないから

この茜空を君も見ているのかな
きれいだと思っているのかな
君と見るこの空は　一人で見る空より
とても美しいものなのだろう

もしも私に翼があったなら
この茜空の向こうにいる
君に会いに行きたい

again and again

「さぁ　もう一度」
うずくまる僕を
急かすように勇気付けるように
太陽は今日も昇っていく

こんな僕にでも
何か残せるものがあるなら
極められるものがあるのなら
もう一度　踏み出そう

今日失敗したとしても
明日　また太陽は昇る
明日失敗したとしても
明後日　また太陽は昇るから

そうして　僕らは歩いていくんだろう
いつか夢見たゴールは
まだまだ遠いけれど
それでも一歩ずつでも
進めているのなら

きっといつかは　辿り着けるから

今日の夕焼け空は

暖かな風が吹く　夕陽が綺麗な日
僕は一人　空を仰いだ
悲しい程の静寂と虚無感が
終焉が近いことを教える

僕はなんて言ったらいい？
僕はどんな顔をすればいい？
それすら　もう思い浮かばなくて
ただ　茜空を見上げるしかなかった

そこにはいつか見た景色と
飛行機雲が横切っていた

そう　まるで
空に境界線を引いていくかのように

僕たちの距離を阻んでいた
あまりにも美しすぎる空に
僕はそっと目を伏せて微笑んだ

雲の境界線

風が少し冷たく強い日
家路の途中　寄り道をした
誰もいない公園で空を見上げた

空を切り裂く　雲の境界線
とても綺麗で　どこか切なくて
僕は何も言えずにいた

この夕焼け空を
君もどこかで見ているだろうか
ふと君の笑顔が頭をよぎった
いつか二人で見た空と
どこか似ているような気がして

本当はね　この空を
すぐにでも君に教えたかったんだ
でも　それができなかった

片手に携帯電話を握り締めたまま
僕はそっと目を閉じ　風を感じた
頬を打つ冷たさが　どこか優しくて

まるで空から落ちてくるような
雲の境界線
まるで　二人の世界を隔てるかのように
僕らの街を紅く染めていった