True and Liar

ねぇ　それ以上言わないで
過去ばかり振り返っては　傷を抉り出す
今まで二人過ごした日々が
全て嘘になってしまうよ

君には僕の悩みが分からないだろう
だけど
僕にも君の苦しみが分からない

いつの間にか僕は
君の十歩二十歩先を歩いていた
君はいつまでも同じ場所で
僕の帰りを待っていたんだね

どんなに悲しいことを言われても
何も感じない　痛くはない
被害者ぶる権利なんて
今の僕にはないんだから

ねぇ　それでも
君のことは分かっているつもりだよ
どんなに僕を憎んでいるか　苦しんでいるのか
それを全て背負った上なんだ

君は僕の目を見ない
僕は君の目を見ない

いつからこんなに
２人の距離が離れていてしまったのだろう
もしかしたら　出会ったのその瞬間から
予感をしていたのかもしれない

もう最後だからと割り切ったから
傷つく言葉さえ　全て受け止められたのに
どうして　最後の最後で
そんな優しい言葉を言うの？

散らかった思い出の部屋を
僕はそっと後にした
残されたのは　きっと君なのだろう

もう二度と振り返ることはない
そこに何の意味があったのかなんて
今は考えられない

それでも　どんなに憎まれても
僕は　ただ
君の幸せを誰よりも
願っているよ

月あかり

君はそうだね　いつも
可愛い笑顔で笑いかけてくれる
僕は幸せを感じながらも
どこか切なく思うんだ

きっと同じ過ちを繰り返してしまうから
いつも後悔ばかりしている
どんな表情でいればいい？
どんな僕でいればいいの？

君が思う程　僕は知っているよ
無理して笑っている時
愚痴を言いたそうな時
いつでも側にいるから
僕の前だけでは　本当の自分でいて

ずっと守りたいと願ったのに
なぜこんなにも簡単に
手を離してしまったのだろう？
こんな僕の苦しみ
君は優しく笑ってくれたね

でも　本当のことが言えなかった
２人でただ月のない夜空を見上げて
どこまででも歩いていたのに

踏み出すのが怖いわけじゃない
伝えるのができないわけじゃない
それでも　僕は
何にも言うことができなかったんだ

君にとって　僕の存在する意味を
君にとって　僕が笑う意義を
求めて答えてくれるのは
他でもない　君しかいないんだ

あの厚い雲の向こうにいる
あの月だけが
本当の答えを知っている

Over There

どんな言い訳なら
君に納得してもらえるのだろう
どんな優しさなら
傷つかずに終わらせられるのかな

時間だけがただ過ぎていく
思い出も記憶も残したまま
色褪せることなく　置き去りにされる

きっとこうしてまた
僕は大切なものを失っていく
それがどんなに尊く愛しいものなのか
失って初めて気がつくのだろう

ごめんねなんて言う資格さえ
今はないから
無垢なほどのその瞳に
映ることさえ　許されないのだろう

どんな言葉なら
美しいまま残せるのだろう
どんな表情なら
君に別れを告げられる

今宵の月の明かりは
いつか２人で歩いた夜空に
酷く似ているから
思い出すだけで　胸が苦しい

きっとこうして僕は
罪を重ねていくのだろう
被害者ぶっては　また新たな温もりを探して
いつになったら　全て消える？

いつか分かち合った喜び
抱きしめあったその痛み
遠すぎてもう見えないよ

あの日どこかで置いてきたもの
失ったまま忘れてしまったもの
もう一度　探しに行こう

今日の夕焼け空は

暖かな風が吹く　夕陽が綺麗な日
僕は一人　空を仰いだ
悲しい程の静寂と虚無感が
終焉が近いことを教える

僕はなんて言ったらいい？
僕はどんな顔をすればいい？
それすら　もう思い浮かばなくて
ただ　茜空を見上げるしかなかった

そこにはいつか見た景色と
飛行機雲が横切っていた

そう　まるで
空に境界線を引いていくかのように

僕たちの距離を阻んでいた
あまりにも美しすぎる空に
僕はそっと目を伏せて微笑んだ