Behaved

そう　君は多分
私がこんな女だとは思わなかった
もっと　可愛らしくて純粋だと
そう思っていたのでしょう？

でも　残念ながら
私は淑やかで慎み深くて
君の帰りを泣いて待つような
そんな弱々しい女じゃないの

君の期待を裏切るようで悪いけど
勝手に自分の理想と重ねていたのはそっちでしょ

自分がいなきゃダメな女だって
いい気になって　安心してないで
見下して　見くびらないでよね
女ってものは　同時にいくつもの恋を抱けるもの

そう　これが本当の私
君には見せられなかった　見てくれなかった
本当の私なの

そう　君はきっと
私の本性に幻滅したでしょう
もっと　無垢な大和撫子だとそう思っていたのでしょう？

でも　お生憎様
私は誰にでも愛想がよくて
君の後ろを黙って着いていくような
そんな謙譲型の女じゃないの

君の現実離れした理想に笑いが止まらない
甘えるとか甘えられるとかっていう行為が大嫌いなの

君との道がここで途絶えたとしても
いつまでも引きずっていたりしない
被害者面して　泣きつかないで
女ってものは　すぐに
次の新しい道を見つけることができるの
　
そう　これが本当の私
君には見せられなかった　見てくれなかった
本当の私なの

certainly

ふと手から零れ落ちた　一滴
地に染みを作り　
あっという間に世界に広がっていく
何もなかった　私の世界を
鮮やかな色で染め上げていく

確かに　君はそうだった
私を夢から目覚めさせてくれたの
ねぇ　だけど
君はいつだってそう
自分自身の道を歩いていく
いくら後を追っても
追いつけないその背中

私が望んでいた結末と
君が望んでいる結末は
違っていたってことかな？
所詮　他人同士だから
分かり合えなくたって当然なの？

ふと目から零れ落ちた　一滴
透明無色な一筋
誰に受け止められることもなく
何もなかった　私の世界が
跡形もなく無に還っていく

確かに　君はそうじゃなかった
私の心を見ようとはしなかったの
ねぇ　そうでしょ
私はいつだってそう
物事を嫌な方にしか考えない
いくら励まされたって
冷めていくのは心

私は君が思うような
淑やかで大人しい人間でもないし
目の前のご馳走を前にして
我慢できる忠犬でもない

確かに　私はそうじゃないの

でも

確かに　君はそうだったんだ


 

voiceless

君がなにを考えているのか分からない
ただ　君の言うことが
すべて正しいように聞こえてしまう
それが　不思議なところね

君の気持ちを掻き消しても
僕の気持ちを押さえつけても
そこからなにも生まれやしないでしょう
もう一度　考えてみて

愛しているとか　愛されているとか
そんな感情　説明されても分からないよ
誰かに言われて　思えることじゃないでしょう

でも　きっとそれは
そんなに難しいことじゃない
呆れるほどに単純で確かなこと
それに気が付くのが
少し遅かっただけなのかな

君が知らない　僕の秘密は数知れない
でも　僕だって
君の本当の顔を知らない
そんな僕達が
互いを分かり合える日は来るのかな？

「好き」と「愛している」の違いはなに？

人は時に
自分の感情を隠してしまうから
寂しくても　辛くても
誰かに甘える勇気が持てない
そんな弱いものだから

君は言葉や目に見えるものに
頼ろうとしてしまうけど
僕が欲しいのはそんなものじゃない
壊れてしまうものじゃない
でも　それがなにか分からないんだ

愛しているとか　愛されているとか
そんな感情　説明されても分からないよ
誰かに言われて　思えることじゃないでしょう

だって　
僕は君の事をどんな風に思っているのかも
まだ分からないんでいるんだ

ALIVE

「あぁ　なんだか疲れちゃった」
そうため息をついて
君は走るのを止めた
そして　気がつくんだ
僕たちを取りまいている矛盾に

まぁ　なんて不様な姿なのかしらって
冷笑しているそこの人
忘れていない？
僕たちはその不様な世界で生きてるってこと

走ることに疲れたのなら
立ち止まって　見渡してみて
君が今どこにいるのか　
どんな場所で生きているのかって
少し分かるはずだから

「さぁ　この手を握って」
そう少し笑みを浮かべて
君は歩きはじめた
そして　知ったんだ
前に進むことの重大さに

放さない　失くさないようにと
大切に抱いていたって
今日あるものが
明日　十年後あるとは限らないのに

要するに現実に冷めないためには
夢を見続けることね
自分は誰よりも幸せで
愛されていると思い続けること
少し分からなくなっても

上手に生きようとしなくてもいい
遠回りや道草したって構わない

走ることに疲れたのなら
立ち止まって　見渡してみて
君が今どこにいるのか　
どんな場所で生きているのかって
少し分かるはずだから