MISSING

今ならやり直せるんじゃないかって
そんな淡い期待を抱いてみたの
だけど　それは見事なほどに
予感した通りの結末に終わった

現実に幻滅することには　もう飽きたの
結局　みんな同じ
私が夢見がちだったというだけ

なんで　そんな風に思うの？
なんで　そんなことが言えるの？
私には理解できないし　理解しようとも思えない
一体　私に何を望んでいるの？
ねぇ　答えてよ

行き先はどれくらい遠い場所なの？
私なんかじゃ　想像できないほど
遠く　見えない場所なのでしょう？
それでも着いて行きたかった
見守りたいと思えていたはずなのに

見えないものを信じることに　もう飽きたの
結局　みんな同じ
私が愚かだったというだけ

きっと　簡単なことだった
きっと　幸せでいられた
でも現実を受け入れれば受け入れるほど
理想との壁にぶつかって　砕け散る
もう　疲れたの

きっと　君には分からない

きっと　僕にも分からない

絵空事―エソラゴト―

さっきまで降り続いていたはずの雨は
私の気配を悟ったかのように音を失くし
いつの間にか　雲の切れ間から
眩しいほどの光が照らしている

一体　私はなにをすればいい？

こんな空虚な気持ちになるなんて
あの頃の自分が懐かしいだなんて

都合がよすぎて　馬鹿みたい

毎日がつまらないってわけじゃない
でも　面白いわけじゃない
自分のことばかり考えていても
なにも見えてはこないの
だから　憎むのかしら？
互いを大切に　思い合える人たちを

変わりたいけど無理だから
歩み寄りたいけど遠いから
そんな最もな理由ばかりを並べて
ねぇ　なにを求めているの？

一体　私はどう生きればいい？

こんな無意味に感じるなんて
あの頃の無知な自分が懐かしいだなんて

滑稽すぎて　笑う気にもなれない

毎日がくだらないってわけじゃない
でも　楽しいわけじゃない
他人のことばかり考えていても
なにも得られるものはないの
だから　羨むのかしら？
あんなに無邪気に生きていられる人たちを

煙草

「どうして、そんなものがいいの？」
そう不機嫌そうに尋ねる私に
君の煙草の白い煙が宙を舞った

だって　なにひとつ
君のためにはならないのに
自分を追い詰めるだけなのに
何がそんなにもいいのだろう？

あの頃の私は知りたくもなかったし
知ろうともしなかった

それから　私は煙草の匂いを嗅ぐたびに
君のことを思い出すようになったんだ

言わなくなって　会った瞬間に分かる
だって　抱きしめられれば
その香りが私を包む
キスをする度に　ほろ苦さが広がる

あれだけ嫌だと思っていたのに
なぜ　言えなかったのだろう？
なぜ　拒めなかったのだろう？

懐かしいとさえ感じるようになってしまった

だけど　今なら分かるような気がする
分かろうと思えるようになったんだ

ココロゴト

答えが見つからない
君のその純粋な瞳に縛られて
僕はそっと手を離した

行き場所を失くした
想いが宙を舞う
僕は何をすればいい？

煙草の煙が目にしみる

理由なんて聞かないで
理論なんて問い詰めないで
そんなこと求めてないよ

ただ　手を握ってと
放さないでいてと
側にいてと
そう言って欲しいの

奇跡を信じられなくなった私は
全てが必然なんだと思うようになった

僕が生まれたのも必然
僕が死ぬのもまた必然

君が生まれたのも必然
君と出会ったのも必然

だから　理由なんてないんだよ

答えなんて　最初からないんだよ

決して相容れぬ僕たちは
真正面からぶつかるから
その全てを受け入れ　
噛み砕いていくしかない

無邪気に答えを求める
君の無垢な瞳に吸い込まれ
僕は言葉を失くした