I said that...

「こんなにも心と体がボロボロになって
さぞかし痛いでしょう？　泣きたいでしょう？」
と悲しげな顔をして　声をかける人

でもね　そこまでじゃないよ
むしろ清々しい　いい景色だよ
自分でもおかしいくらいに
別に開き直ったわけでも
ひねくれたわけでもなくて

だって　こんな今の僕でも
認めてくれる人がいるって分かったから
本当の苦しみを理解してくれる人がいるから
それだけで　僕の存在が救われるような気がする

僕は僕のままでいい
僕の中に巣くう　この悪魔と
共生するか　消滅させてしまうか
どの道を選んでも　その後に残るのは
「僕」という存在だけなのさ

この傷跡さえ　今では愛しい
他人の目ばかり気にしては
自分のポジションを確認していたあの頃
今思えば　その存在さえ曖昧で
影にも光にも転じていたよね

何が正しくて　何が間違っているのか
教えてくれる人が欲しかった

君はそっと微笑んで　何気なく目を向けて
いつでも僕を見守っていてくれたんだね
それだけで十分だよ　求め過ぎないよ
僕という自己は確立されるから

そこから見える景色はどんなんかって？
そんな大層なものなんかじゃない
でも　思った以上に見晴らしがいい
澄み切ったものさ

だって　こんな今の僕でも
認めてくれる人がいるから
本当の苦しみを理解してくれる人がいるから
それだけで　僕の存在は救われたんだ