被害者と加害者

そうね　もう少し時間がズレて生まれてきたら
あなたに会うこともなかったでしょう
それが損なのかどうなのかは分からないけれど
こうして笑って話し合えているなら
それはきっと　いい事だったんでしょう

あなたは現実を美しく見ようとするから
私はどうしようもなく　もどかしく感じるんだ
なんでそう思えるの？
なんでそんなに汚れないの？

被害者ぶるなら　
もうちょっといい声で泣いてよ
自分だけが不幸な人間なんて大した思い違い
あなたを励ますことにも飽きたわ

「この世界の闇なら大抵知っている」って言うなら
私を連れて行ってよ　どこでも行くわ
それはあなたにとって不幸でも
私にとっては幸福かもしれない

さぁ　過去を一つずつ紐解いていきましょう
朝までかかっても構わない
頭は眠っても　心で聞いているわ

加害者ぶるなら
もうちょっといい声で鳴かないとね
自分だけが傷つけられているなんて思い違い
最後の一欠片まで打ち砕いてあげる

理想と現実なんて大抵はかけ離れている
期待はいつでも裏返しであざ笑うから
裏切られたって泣き叫ぶ前に
自分が今立っている場所を見てみなよ

被害者ぶるなら　
もうちょっといい声で泣いてよ
自分だけが不幸な人間なんて大した思い違い
あなたを励ますことにも飽きたわ

君の待つ世界に

最後に君は少し微笑むと
そっと　僕の手を離しました
君が旅立った　あの空は
あんなにも綺麗なのに
涙で霞んでしまう

さよならなんて
言えるはずもない
思えるはずもない
そんな勝手なこと　許せないよ

どうか　私も連れて行って欲しい
君のいる世界へ
そこが　どんな場所であっても
僕は構わないよ　大丈夫だから

繋いだこの手を離さないでいてくれるのなら
きっと　僕は笑っていられる　泣いていられる
どんな姿になっても　僕は僕でいるよ

本当に大切なものは　いつだって
大切だと気づく前に　失ってしまうから
目には見えぬ形の無いものだから

君の待つ世界は　どんな場所なのだろう
どんな　景色が広がって
どんな　光が君を照らしているの？
そこから僕は見えていますか

さよならなんて
言えるはずもない
聞こえるはずもない
君はいつも　自分勝手だね

きっと　私もいつかは辿り着くだろう
君が待つ世界へ
そこが　この世にない場所でも
僕は恐くないよ　だから待っていて

伸ばしたこの手をいつか握ってくれるのなら
きっと　僕は歩いていける　生きていける
どんな形になっても　僕は僕でいるよ

ねぇ　だから　君は君のいる場所から
僕のこと　見守っていてね
そして　いつかまた出会えたら
たくさん　笑って欲しい　叱って欲しい

痛みも幸せも悲しみも希望も
全て　分かち合って生きていきたいよ

 

四季

瞳を閉じると思い浮かぶ

いつかの遠い面影

どれだけ手を伸ばしても

空を掴むだけで

残された淡い香りだけ

この心に刻まれる

蘇っていく　鮮やかに

戻れない刹那の中

幾つもの季節を見送って

幾度　桜を見て　海を見て

紅葉を見て　雪を見て

何を遺していくのだろう

瞳を閉じると思い浮かぶ

いつかの遠い面影

ふと　吹き抜ける風が

優しく光り輝いた

OCEAN

          

一度も来たことのない場所
だけど　見覚えのある場所
記憶なんかではなく
体の奥底に刻まれた感覚

どうすれば時間は止まる？
どうすれば一瞬は永遠になる？
ねぇ　もう少しだけ
ここにいたいと願ってしまう
何もかもが小さく思えてしまえるんだ

どこまでも続いてく　この海は
ずっとずっと昔から同じ景色で
僕たちを見てきたんだろう
例え　この身が無くなったとしても
青く広い海原は　静かに激しく在り続ける

こんな海を　僕は今まで
一度も見たことがなかった
こんな海を　僕はこれから
見ることがあるだろうか

冷たいけれど　寒いけれど
風がとても心地よくて
懐かしいような香りと共に
この体の奥底に刻まれていく
そして　また次の命に受け継がれていくのだろう

ねぇ　今度この海を見る時
僕の隣には誰がいるのだろう？
同じ色の　同じ匂いの海が
変わらずそこに広がっているのかな

深く吸い込まれていくように
強い海風が僕の髪を吹き上げる
厳しいけれど優しくささやきかける
僕という１人の人間を包み込むような
そんな大きな力を　全身で感じています

この地球に溢れる生命の小ささと偉大さを
この身をもって教えてくれるようで
遙か彼方に見える　地平線の向こうには
どんな世界が待っているのだろう
この叫びが聞こえますか

どこまでも続いてく　この海は
ずっとずっと昔から同じ景色で
僕たちを見てきたんだろう
例え　この身が無くなったとしても
青く広い海原は　静かに激しく在り続ける
これからもずっと・・・





２/２３　大島・櫛野崎と七里御浜にて